「ふきんを絞るとズキッと痛む」
「最近、親指の付け根が腫れて力が入らない」──
その症状は、母指CM関節症(ぼししーえむかんせつしょう)と呼ばれる関節の変形が原因かもしれません。
この疾患は、親指の付け根にあるCM関節(手のつけ根の関節)が変形・摩耗し、痛みや腫れを引き起こすもので、
特に40〜70代の女性に多く、家事やスマホ操作などで手を酷使している方によく見られます。
整形外科では、進行度に応じた保存療法や装具、注射治療などで痛みをやわらげ、日常生活への支障を軽減する治療が可能です。
■ 母指CM関節症とは?
- 親指のつけ根にある第1中手骨と大菱形骨の関節(CM関節)がすり減り、変形や炎症を起こす疾患
- 手を使う頻度が多いと摩耗が進みやすく、加齢・ホルモンバランス・遺伝要因も関与
- 「つまむ・ひねる・握る」といった動作で症状が悪化
■ なぜ女性に多いの?
- 女性は関節が柔らかく、靱帯が緩みやすい体質の方が多い
- 更年期以降のエストロゲン低下により、関節や軟骨の変性が進みやすい
- 家事・介護・スマホ・パソコンなどで手を酷使しやすい環境
■ 以下のような症状があれば要注意
- ドアノブを回す・ペットボトルを開けると親指のつけ根が痛い
- 親指の付け根がポコッと出っ張って腫れている
- 包丁や文具などを長く使うと、ズキズキと痛む
- 朝方や作業後にじんじん・熱っぽい痛みがある
- 最近、親指に力が入らなくなってきた/つまみにくくなった
■ 整形外科での主な対応
- 視診・触診・X線検査で関節の変形度を確認
- 【保存療法】
- 手首や親指を安静に保つ専用装具(サポーター)の処方
- 消炎鎮痛薬・湿布・外用薬などで炎症と痛みをコントロール
- 状態に応じて、ステロイド注射による痛みの軽減
- 関節に負担をかけない動作指導やリハビリ(作業療法)
- 【進行例】
- 保存療法で効果が見られない場合、関節固定術や人工関節置換術の選択肢も
【親指の付け根がズキズキ痛む…】家事・スマホ操作で悪化する前に
母指CM関節症は、「いつの間にか痛くなった」というケースが多く、悪化すると日常動作が大きく制限されることもあります。
特に40代以降の女性は、関節の変化が進行しやすいため、早めの診断と保存的ケアが重要です。
「最近、親指の使い方が気になる」と感じたら、整形外科で状態をチェックしてみましょう。
■ ご予約・ご相談はこちらから
「ふだん通りに家事や作業をしていただけなのに…」
「親指の痛みがなかなか引かない」──
それは母指CM関節症が進行しているサインかもしれません。
■ 整形外科では、手の使い方・関節の状態に合わせて保存療法・装具・注射治療などを行い、症状の緩和と生活の質の向上をサポートします。
■ 早めの対応が、手の動きを守る鍵になります。